恋する受験生
「保留中の子の中に、私も入りたい!!」
「お前が?」
「お願い!!」
「それで、お前が勉強頑張ってくれるならいいけど。俺のせいで、受験に失敗して欲しくない。俺と仲良くなって、お前の成績が落ちるんなら、もう会わない方がいい」
学校の先生にも言われた。
好きな子とか彼氏彼女とか、そんなことは今は邪魔になるって。
私は机を叩いて、教室から飛び出した。
だいたいの大人は、恋愛が受験の邪魔になるって思ってるんだ。
「私、俊のおかげで勉強が好きになれそうなんだよ。だから、絶対に成績も伸びる!!時々、会ってくれればそれでいいから。もう告白もしない!!」
「それなら、いいよ。また時々勉強みてやるから」
「あ!! 今、保留中の人と付き合う可能性あるの?」
時々会うだけでいいなんて言いながら、俊に彼女ができることは耐えられない。
「いや、断る。明日の朝、会ったらすぐに断るよ」
俊は、とっても優しい表情をしていた。
飼い主がペットの猫をなでるように優しく、そっと私の頭を撫でてくれた。