恋する受験生
にぎやかな音楽。
私は聞いたことのない洋楽。
音楽に合わせてリズムを取る女の人。
俊を見上げて。
俊のお尻を叩く。
「あ~!惜しい!!」
女の人は、俊に500円玉を渡す。
「これで絶対取って。取ってくれたら遊んであげる」
そんな上から目線なこと言われて、どうして笑っているんだろう。
俊、その人と遊びたいの?
俊、その人が好きなの?
目元だけ濃い化粧。
唇はリップだけ。
パンツ見えそうな短いスカートで、床に座る。
高校生。
私にはわからない世界。
私は中学生。
まだ子供。
ガキ。
何も知らない。
何が、受験と恋を両立させる…… だよ。
両立も何も、私は最初から相手になんてされてなかったんだ。
俊は、違う世界の人だったんだ。