恋する受験生
UFOキャッチャーの影に隠れて、涙が乾くのを待つ。
乾くどころか、次から次へと溢れてくる涙。
俊は、うそつき。
俊は、うそつき。
誰にでもあげてたんだ。
ぬいぐるみ。
UFOキャッチャーで取ったものをあげて、その女の子に声をかけるんだ。
それが、俊の“手口”……
まんまと引っかかった私。
俊なんか嫌い。
軽そうな女の人と、そんな風に遊ぶ俊は俊じゃない。
大嫌い。
大嫌い。
もう勉強なんてしない。
受験なんてどうでもいい。
いっそ、高校受験なんてやめてしまおうか。