恋する受験生
「迷惑だった?ごめんね。俺、あんまり空気読めないタイプだから」
サラサラの髪をペンでくしゃくしゃっとした俊。
「違う!!!違うの。私、俊に甘えてばかりだから。俊が迷惑かなと思って」
「お前らしくないな。正直に言えよ。もう俺はいらないってことだよな?」
いくら違うと言っても、俊は信じてはくれなかった。
俊が、部屋を出る前に言った。
「最近、ちょっと変だなって思ってたんだよ。前は、会うたびに好きだとか彼女になりたいとか言ってたのにさ。やっぱり女はわかんねぇな」
違う。
そうじゃない。
私が調子に乗っていたってことに気付いただけだよ。
俊。
今でも俊が大好きだし、俊の彼女になりたい…… です。
その気持ちを伝えられないまま、俊とお別れしてしまった。
俊は、お母さんに挨拶をして、いつものように帰った。
またね!って声をかけたら、俊は優しい笑顔で手を振ってくれた。
でも、“また”は、ないよね。
私と俊には……