初恋の味はどんな味?
数十分後、黒木君は最後の原稿用紙をめくった。



「……どうだった?」



私が恐る恐る聞くと、黒木君は少し考える仕種をした。



イマイチ…だったのかな……?



自分としては出来はいいと思うけど…。



「坂中サン……。」



「は、はい!!!!!」



私はビシッと背筋を伸ばした。



黒木君が言うことはしっかり聞いて次の小説に生かさないと。



「あんまり小説とか読んだことないからよくわからないけど、すごい楽しかった!!丁寧な文でいつの間にか物語の世界に引き込まれていて…。主人公の気持ちも手に取るようにわかるよ。すごい、としか言えないよ。」



「ほ、ほんとに?」



黒木君は笑顔で首を縦にふった。



私はホッと肩の力が抜けた。
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