初恋の味はどんな味?
「と、とにかく、今はまだ無理なのッ!!!!」



私は恥ずかしくなり、グッと黒木君の胸を押した。



「ん〜…そっかぁ……。」



黒木君は残念そうに笑いながら私を解放してくれた。



「嫌がってるのに無理矢理するほど俺は酷い男じゃねーよ。」



あっさり離れてキョトンとしている私に黒木君は微笑みながら言った。



その笑顔が寂しそうに見えたのは沈みかけている夕日の赤い光のせいなのかな?



「それに」



黒木君は大きく息を吐いて、空を睨んだ。



「早く片付けなきゃいけない問題もあるしな。」



黒木君の言葉を聞いて、ハッとした。



嬉しさで忘れていたけど、まだ終わったわけじゃないんだ…。



明日のことを考えると震えてしまう。



『もっと酷くしてあげる!!!!』



由佳里サンの言葉が蘇る。



怖いよ……。



泣きそうになっている私に気付いたのか、黒木君は優しくポンポンと頭を叩く。



「俺がついてるから。俺が守ってみせる。」



そういってくれた黒木君が頼もしかった。












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