初恋の味はどんな味?
靴箱を通り抜けて、廊下を歩く。



窓から吹き込む秋の風が短くなった髪をなびかせ、あらわになった首筋を撫でていった。



教室に近づくにつれて、恐怖が募っていく。



戦わなきゃ。



逃げてちゃ何も変わらない。



大丈夫……私には強い味方がいるんだから…。



隣で歩いている黒木君を見上げる。



黒木君は私と目が合うと、ニッと笑った。



"んな顔すんな。いつも通り行け。"



笑顔はそう言っていた。



私は小さく頷いた。
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