初恋の味はどんな味?
深呼吸ひとつして、私は教室のドアを開けた。



教室はいつもと変わらなかった。



ただ…黒木君と来たことを快くおもわないクラスの女の子達の視線が、痛かった。



私は少し俯きながら、自分の席に向かう。



「桃華、おはよっ!!」



ポンッと肩を叩かれ、振り返ると真凜が笑って立っていた。



「髪、切ったの?ショートも似合うじゃん♪」



「ありがと♪」



真凜はきっとわかってたゎだとおもう。



髪が短くなったのはイジメのせいだって。



あえてそこに触れなかった真凜の優しさが、うれしかった。
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