初恋の味はどんな味?
黒木君の顔が近づいてくる。



そして、唇に何か柔らかいものが当たった。



一瞬、教室中の空気が凍ったように思った。



私は何が起きたか理解しようと頭をフル回転させていた。



柔らかい感触……黒木君のドアップの顔……なぜか目を閉じている……。



これらから連想させるものは…………キス!!??



う、うそぉぉぉ!!???



離れようとしたかったけど、まるで魔法にかかったみたいに動けない。



しばらくして、黒木君が離れた。



無意識に息を止めてたらしく、少し息が荒れていた。



黒木君は私の肩に腕を回し、グッと自分のほうに引き寄せた。



「ということで、桃華は俺の彼女なんで手を出さないでね。いじめたりなんかしたら……わかってるね?」



黒木君は笑ってるはずなのに、どこか怖いオーラが出ていた。



女の子達はほぼ全員、魂が抜けたような状態で頷いていた。



この日を堺にイジメはなくなった。



でも……私にはある心配事があったわけで…。









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