初恋の味はどんな味?
そのときだった。




ガタッと物音がして、私は振り返った。




そこにいた人物に私は息を飲み、目を丸くした。




そこにいたのは、私がずっとずっと待っていた人……。




「黒木君……。」




黒木君は私に気が付くと、踵を返して教室から走り去ろうとした。




「まって!!!!」




せっかく話せるのに、このチャンスを逃すわけには行かない。





私は必死に黒木君を追いかけた。




いつもは運動はニガテで、足は遅い。




でも、今日だけは違った。




足が軽くて、いつもの倍の速さで走れた気がする。




私は、階段の踊り場で黒木君に抱きついた。
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