初恋の味はどんな味?
「俺は……話したくなかった…。」



ズキン。



胸が痛んだ。



自分の耳を疑った。



「離してくれない?」



信じたくない。



黒木君がこんな冷たい言葉を言ったなんて…。



「くろき、くん……?」



「聞こえなかった?離して。俺、もう話したくないから。」



黒木君は私に背を向けたまま言った。



ガツンと頭を殴られたみたいだった。



ショックで頭がくらくらする。



目が熱くなって、視界が歪んだ。



「なん、で………?」



言葉を搾り出した。



頼りない声だった。
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