初恋の味はどんな味?
「……ッ」



私はグイッと涙を拭うと、顔をあげた。



もう、泣いちゃいけない。



強くならなきゃ。



黒木君に嫌われた。



その事実を受け入れなきゃ。



別れた。



その事実を受け入れなきゃ。



いままで私は黒木君に甘えすぎていた。



もう、甘えちゃいけない。



私と黒木君はもう"恋人"じゃない。



また前みたいに戻っただけじゃない。



大丈夫……大丈夫だよ…。



私はそう言い聞かせると体の向きをかえて、教室へと戻った。










_
< 211 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop