初恋の味はどんな味?
私はショックで放心状態だった。



黒木君が……転校…?



もう会えなくなるの?



嫌だよぉ…。



胸がキュッと締め付けられた。



「桃華…。」



ハッと顔をあげると真凜が立っていた。



真凜の表情も暗い。



「…会えなくなるね。」



私は笑っていった。



「桃華はそれでいいの?」



「うん…。もう別れてるのに会えなくなるって泣くのはおかしいでしょ。」



笑っている私を真凜はジッと見つめた後、ボソッと呟いた。



「黒木君、別れたくて別れたんじゃないと思う。」



「…え……?」



真凜が言ったことの意味を聞こうとしたけど、チャイムが鳴ってしまい、真凜は席に戻った。



私は真凜が言っていたことの意味をずっと考えていた。
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