初恋の味はどんな味?
「ごめん、ね……。
せっかく、みんなと楽しそうに、はなし、てたのに…こんな、とこに、連れて来ちゃって……。」
必死に涙を堪えるけれど、声は震え、涙声になっていた。
喉の奥もなにか詰まったように苦しい。
泣いちゃダメ…。
あの日…階段の踊り場で決めたでしょ…。
泣かないって…。
笑わなきゃ。
強くなるんだ……。
「もぅ…もどっ、ていーよ…。
勝手に、連れて来て、えらそ、うだけど…。
ごめ、んね…。」
必死に、笑顔を貼付けた。
涙も流していないはず…。
「向こうにいっても頑張ってねッ。
バイバ……ぃ…………?」