初恋の味はどんな味?
う…するどい。
「図星ですね。」
ふふっと意地悪な笑みを浮かべる。
真奈さんの勘の鋭さにはかなわない。
「昔の初恋のこと、思い出してて。」
私は素直に白状した。
「空をみると、思い出すんだ。
私の初恋の人…。」
窓から青く透き通る空を見上げる。
「私の兄も同じようなこと言ってます。」
「兄?」
初めて聞くことに私は目を丸くして真奈さんを見た。
真奈さんにお兄さん、いたんだ…。
「えぇ。今、仕事でちょうどこっちにいるんですよ。
私のマンションに寝泊りしてます。」