初恋の味はどんな味?



「へぇ…。」



「私の兄も、空見てると高校時代思い出すっていってます。
いつか迎えに行くって約束した人のこと。」



自分のことみたいに幸せそうな顔をして話す真奈さん。



その顔が誰かに似ているような気がしてならない。



「その人の名前が先生と同じだから、私、少し驚いちゃって。」



「え、今、なんて…?」



私は自分の耳を疑って、真奈さんの言葉を疑った。



「だから、"その人の名前が先生と同じだから、驚いた"って言いましたよ?」



私の顔を真奈さんは不思議そうに見る。



「えっと…真奈さん…ちょっと聞きたいんだけど…。」



頭が混乱してきた。



もしかしたら…って期待してる自分を抑えて、聞いてみた。



「お兄さんの名前って……?」



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