初恋の味はどんな味?


そのときだった。


──ピンポーン



来た…。



私の胸は激しく鳴り出す。



「あれ、誰でしょう…?」



出ようとする真奈さんを止めて、私は言った。



「真奈さんのお兄さんだよ。」



電話があったわけじゃない。



メールもない。



連絡は何一つないけど、分かった。



きっと…きっと黒木君だ。



私は走っていって、ドアノブを握った。
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