初恋の味はどんな味?
7月の上旬。



期末テストが終わると、席替えがあった。






担任の斎藤先生が入ってくるとみんな席に着きはじめる。



「席替えするぞー!!」



教室はざわめき始めた。



喜びの声や"えー"という声が聞こえてきた。



でも私は無感情に聞いていた。



席替えなんてどうでもよかった。



ただ、後ろ側の席になれればよかった。



隣なんてどーでもよかった。



「今回はちょっと違うぞ〜。
最前列の6人は俺の決めたシード選手だ。」



楽しそうに笑う担任とは裏腹に生徒は"えー"と大ブーイング。



「じゃぁ、最前列はな〜…。」



発表された"シード選手"は絶望的な声を出し、他のひとは安堵で笑っていた。



後のひとはクジだった。
< 3 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop