初恋の味はどんな味?
ドクンと心臓が跳ね上がった。



無意識に坂中サンの姿を探す。



坂中サンは自分の席からボーッと窓の外を眺めていた。



回りの席の人などどうでもいいらしい。



「お〜い、黒木。早く書けよ。」



クラスの男子に急かされて慌てて名前を書いた。



そのとき、もう一度『7』のマスに書かれた名前を見てみる。



『坂中桃華』



綺麗な字だった。習字でもやってたのかな?



そう思いながら席に戻る。
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