初恋の味はどんな味?

*近付く二人

「……できたぁー!!!!」



シャーペンを置き、原稿用紙を目の高さまで持ち上げた。



隅から隅までビッシリと埋まっている原稿用紙を見て満足感に浸る。



この話をみんなに…黒木君に読んでもらえると思うと嬉しくなってくる。



「よし、帰ろっかな。」



独り言を呟いて立ち上がった。



窓を見ると、ガラスに自分が映っている。



外は日がほぼ沈んでいて、西の空が少し明るいだけだった。



小説を書くのに没頭していて日が沈んだことに気がつかなかった。



早く帰らないと親が心配しちゃう。



真凜は……もう帰ったみたい。



帰り際になんか言ってたような気がしたけど書くことに夢中でなんも聞いてなかった。



私は荷物を持つと教室の電気を消して、暗い廊下を歩いていった。
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