初恋の味はどんな味?
あ、足音が……私が曲がろうとしていた角の先から聞こえる…!!!



今の時間、私以外に生徒はいないはず。



先生で一人はいるだろうけど、先生方はスリッパじゃない。



それにこっちにくる用事なんてないはず。



ま、まさか……出た!!??



頭はパニック寸前だった。



逃げようとしても足が地面に張り付いたように動かない。



パタパタパタパタ……。



足音はどんどん近づいてくる。



私の頭に白い着物を着て、髪が腰の下まであり、頭から血を流した女の人の絵が浮かび上がる。



なんで自分、こんなのを想像しちゃうのよ!!!



慌てて頭の中の女の人を消す。



パタパタパタパタパタ……。



足音はもう、すぐそこだった。



どうしようも出来ない。



覚悟を決めたとき、角から人が出てきた。
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