a scar -傷痕-

怖いの。
必要とされてない気がして。

「ナナー?」

リビングから声がして、幻覚から目が覚める。

「今行くー」

左手に目立たない透明絆創膏を貼り、リストバンドを付ける。

そして長袖のスウェットで隠せば、誰にも分からない。

腕なんて誰も見てないだろうし。
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