a scar -傷痕-

普段そんなにしない、メイクも少し派手になる。

髪をゆるく巻いて、キープスプレーをすれば完成。

鏡の前で自分の顔をじっくりと見る。

「…よし、じゃ行こ」

部屋に鍵を閉めて、家を出ようとするとお母さんが近くに寄ってきた。

「何なの、その格好!」

怒鳴り声が家中に響く。

あーもー、五月蝿い。

「いいじゃん」

それだけ言い残し、家を出た。
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