a scar -傷痕-

こんなにギャップがあるなんて、人間てわかんない。

「似合ってるよ。これからよろしくね☆」

「……ありがと」

花火が遠くに見えて輝きを増す。

「あ、消えちゃった」

折角まりやに渡して貰った花火は、悲しくも終わってしまった。

まりやが持っている線香花火は色褪せず、音を立てながら必死に光を保っている。

そして、燃え尽き落ちた。

まるで……いつかのあたしのように。
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