a scar -傷痕-

「由真も開けたくなった?」

「そんな!大丈夫よ〜」

誰も居ない教室を抜け出し、このくそ暑い中校庭で部活の練習をしている野球部たちに向かって叫んだ。

「青春やってるー!?」

「ちょっ…ナナ!?」

当たり前に野球部の部員、顧問たちはあたしを見る。

何の為に、野球なんかやるんだろ。
将来野球選手になる人なんか居ないよ、この中には。

勿論そのあと暇な先生たちが追いかけてきてあたし達は急いで自転車に乗った。
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