落下の果実
「………うむ」
…おバカなあたしには全く分からんな。(オイ)
なんだかよく分からないけど、ここが地球ってことはなさそうだし。
突然舞い込んだ異世界ライフを楽しむのもいいかもしれない。
学校行かなくてよさそだしね。
なんて超ポジティブシンキングをしていたときだった。
「ヴー」
聞いたこともないような低い唸り声が耳に届いた。
「あれ、まさか異世界には付き物の魔物さん?」
呑気に笑いながら、声のする方に目を向けたあたしを迎え入れてくれたのは、ほんとのほんとに魔物だった。
黒い巨体に、赤い大きすぎる口。
顔(らしきところ)の半分をうめるその口には立派な鋭い牙。
いかにも肉食的な風貌の魔物さん。