落下の果実
食われるっ!?
咄嗟の判断で走れたあたしは偉いと思う。
そんなこんなの成り行きでようやく冒頭部分にたどり着くワケだ。
そりゃ、今は堕落女子高生だけどあたしだって中学時代は陸上部のエースだったのだ。
いくら凹凸(オウトツ)が激しい森の中とはいえ、逃げ切れる自信はあった…んだけど。
「なにあれ、速くない!?」
その巨体からは考えられないほどの俊足。
アリエナイ。
アリエナイったらアリエナイ!!
いくらあたしでもあんなのからは逃げられないし!!
このくらいの距離、普段ならなんともないのにデコボコした走りづらい地面が災いした。
どんどん魔物サンとの差が縮まっていく。