紅い部屋
めずらしく学校へ行った日も、あたしはあの路地に行った。



心のどこかでは、また『キイチ』に会いたいと思っていたのだろう。



あたしはいつもの様にギターを抱えていた。





「今日も?」



「・・・ぁ」




あたしの目の前には、キイチが立っていた。



あたしはギターを置いて、キイチに話しかけた。




「キイチ、って、本当の名前??」



「ぇ・・・?」




キイチは驚いたようにあたしを見た。



そして、少し間があった後、言った。
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