切恋~First Love~
1章
4月◇1
ジリリリリリリリリリッ
バンッ
うるさく喚く目覚し時計を手でたたく。
毎日聞き飽きたこの音を放つ時計は、昔おじいちゃんからもらったもの。
「・・・んー・・・」
温かみのあるベッドから上半身を起こし、背伸びする。
一回目覚し時計が鳴っただけで起きるなんて、普段じゃありえない。
少しながら自分を褒める。
そして嫌々ながらカーテンに手を伸ばし、両手で思いっきり引っ張った。
「まっ・・・ぶし・・・」
思わず声をこぼす。
嫌味なぐらいすがすがしい朝日が、部屋一面を明るくした。
ベッドから出なきゃダメかなぁ・・・。
「ふああぁ・・・」
あくびを1回したのち、よたよたとおぼつかない足取りで部屋を出た。