切恋~First Love~
しばらくしてあたしはハッとする。
・・・ちょっと待って?
即座に図書室を見渡した。
流菜ちゃんの秘密、誰かに聞かれてたらどうしよう・・・。
幸い、図書室には先生もあたし達以外の生徒もいなかった。
ホッと胸を撫で下ろす。
「あ~・・・危なかった・・・誰かいたらどうしようかって思って・・・」
そう言って佳耶と流菜ちゃんの方を見る。
すると2人は目をパチパチさせてあたしを見てきた。
・・・な、なに・・・?
初めに口を開いたのは佳耶。
「え、南美・・・アンタまさか何も確認せずに今の話題切り出したわけ?」
呆れたような口ぶりの佳耶に成すすべもなく、コクンと首を縦に動かした。
「はああー・・・アンタっていうバカは・・・普通確認するでしょ?てっきり確認したうえで話を始めてんのかと思った・・・」
流菜ちゃんはなにも言わず、苦笑いをしていた。
えええ?
「え?じゃあ2人は周りに人がいないの知ってたの?」
「「うん」」
きれいにハーモニーを奏でた2人は即答。
・・・・・・あたし無用心すぎ?
その後あたしは国語の古文地獄に陥った。
流菜ちゃんも初めは全然できてなかったのに、どんどん理解していって・・・。
・・・飲み込み早すぎない?
そう思わざるを得なかった。