切恋~First Love~


「・・・・・・うん、で?」


目の前にいるのは、佳耶。


昨日、お母さんに褒められたことを自慢してる真っ最中。


「そう、無駄に褒められたんだ~!『明日は赤飯にしようかしら』って!褒めすぎだよね~、お母さん!」


「だから、そのノロケ何回も聞いたから。ていうか南美のお母さん、どれだけ南美に期待がなかったの・・・」


「でも南美ちゃん、褒められたんだからよかったじゃんー」


こんな会話が繰り広げられているここは、あたし達の教室。


お弁当を頬張りながら、顔が緩みっぱなしのあたし。


「佳耶ー、今日も数学やる!絶対佳耶みたいに難しい問題もかっこよく解けるようになってみせるー!」


1問解けただけなのに、なぜかやる気が湧いてくる。


「数学を得意科目にしてみせる!」


2人の前で決意表明。


「うん、頑張って。でも南美は早く弁当食べて。話してばっかりで全然進んでないよ?ほらあとちょっとだよ、時間」


もうすでにお弁当を食べ終わって、片付けをしている佳耶にそう言われる。


時計に目をやると残り時間はあと1、2分であることを示していた。


待って待って!


あたし全然食べてないよー!!


「ごちそうさま!」


流菜ちゃんも、お行儀よくあいさつをして昼食タイムを終わらせる。


急いで食べようとするものの、やっぱり無理。


だって味わって食べたいんだもん・・・。


・・・・・・このグラタンおいしい・・・。


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