切恋~First Love~


ガラッ


「席つけー!」


佳耶が何か言おうとしたとき、運悪く先生が入ってきた。


見てみるとその先生は、


「・・・弱メン・・・!」


さっき玄関を開けていた弱メンだった。


真っ黒な髪の毛にノンフレームメガネ。


身長は結構高くて・・・。


やっぱりかっこいい方だと思うんだけどな。


「お前、何か言ったか?」


あたしが変な方向に考えを巡らせていると、頭上から弱メンの声が降ってきた。


弱メンは地獄耳だったようで、しっかり聞こえていたさっきのあたしの言葉。


「いえっ、これっぽちもなんっにも、言ってません!」


そういって逃げるように席についた。


佳耶はいつの間にか席に着いていて、そんなあたしの様子をおもしろそうに見ていた。


< 13 / 337 >

この作品をシェア

pagetop