切恋~First Love~
ガラッ
「席つけー!」
佳耶が何か言おうとしたとき、運悪く先生が入ってきた。
見てみるとその先生は、
「・・・弱メン・・・!」
さっき玄関を開けていた弱メンだった。
真っ黒な髪の毛にノンフレームメガネ。
身長は結構高くて・・・。
やっぱりかっこいい方だと思うんだけどな。
「お前、何か言ったか?」
あたしが変な方向に考えを巡らせていると、頭上から弱メンの声が降ってきた。
弱メンは地獄耳だったようで、しっかり聞こえていたさっきのあたしの言葉。
「いえっ、これっぽちもなんっにも、言ってません!」
そういって逃げるように席についた。
佳耶はいつの間にか席に着いていて、そんなあたしの様子をおもしろそうに見ていた。