切恋~First Love~


・・・そういえば。


「カラオケの話はどこにいったの?」


「「あ」」


あたしが質問を投げかけると、2人はきれいなハーモニーを奏でた。


「流菜、日曜なら毎週シフト入れてないから空いてるよ」


「あ、まじ?うち日曜用事あるわ。南美は?」


流菜ちゃんは土曜日がダメ。


佳耶は日曜日がダメ。


あたしは、


「どっちも空いてるしー!」


専ら暇人。


「まあ、じゃあ今回はパスってことで。来週か、その辺にまた集まろ?」


気分が一気に急降下していくあたしを、佳耶がなだめる。


「うん・・・」




結局、せっかくの休みに何をするかが決まらないまま下校時間を迎えた。


「南美ちゃん、佳耶ちゃんばいばーい!」


流菜ちゃんは、テストが終わったから、またお馴染みの子と帰ると言っていた。


そして流菜ちゃんの後を追うように、あたしと佳耶も教室を後にした。


夏が近くなり、まだ明るい空。


その下を佳耶と一緒に自転車をひいて歩いていると、


「・・・・・・ねぇ、南美?」


佳耶が神妙な雰囲気を漂わせながら、顔をこっちに向けてきた。


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