切恋~First Love~
佳耶はお弁当をつつきながら、話を続けた。
「うん・・・。絶対2人ともびっくりするよ?何でこんな人好きになっちゃったんだろう、って人を好きになっちゃったよ?」
好きな人ができたんだ・・・。
佳耶がこんなに言うのを躊躇う人って誰なんだろう。
そう考えた瞬間、心臓が跳ねた。
・・・・・・まさかね。
ある人物が頭の中に映し出された。
ないない、それはない。
いくら頭で拒否しても、その考えは薄れていくことを知らない。
だってアイツのこと、佳耶は嫌ってたじゃん。
「誰だっていいと思う」
流菜ちゃんが真面目な顔つきで佳耶にそう言った。
「・・・ん、ありがと」
誰だっていい。
確かにそうだけど・・・でも、それでも。
「・・・・・・じゃあ言うけど・・・」
何でこんなに手に変な汗かいてるんだろう。
何でこんなに早く心臓が脈打ってるんだろう。
何でこんなに・・・。
聞きたくないんだろう。