切恋~First Love~


佳耶は1列目の1番前かあ、寝れないだろうな。


頬杖をついてふと佳耶の方をみると、


「・・・溶けてる・・・」


もうすでに机に突っ伏していた。


というかまだ噂の神崎涼は来てないんだけど。


「えー、今日から2年生ですが・・・」


弱メンが話し始めたその時だった。


バンッ


すごい音がした。


音のした方を見てみると、


「ちゃーっす!」


1年生の時と全然変わらない容姿の神崎涼がいた。


じゃあさっきの『バンッ』って、教室のドアが開いた音?


あんな音も出るもんなんだ。



ワイシャツのボタン開けまくり、ネクタイ緩めすぎ、ズボン下げすぎ。


校則違反だらけの制服。


背が高く体格のいい体。


スッと筋の通った鼻筋に、パッチリ二重で切れ目な瞳。


それらは男っぽい少し面長な顔にバランスよく置かれている。


極めつけは、サラサラなオレンジがかったきれいな金髪。


そんな彼を見て瞬きすることも忘れてた、あたし。


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