切恋~First Love~
教室に戻り、待っていたのは・・・。
「・・・席替え」
佳耶が重苦しく息を吐きながら、黒板に書かれた文字を読んだ。
「別にあたしはいらないんだけど・・・何でこんな時に限って・・・」
佳耶がまた溜め息をつく。
2年生になりたての頃は切実に席替えを希望していた佳耶。
今はこのままでいいのに・・・。
人生ってなんて山が多いんだろう。
あたしも今の席のままでいいんだけど。
流菜ちゃんと一緒だし、尾崎君とも一緒だし。
「・・・弱メンのバカー・・・」
無意識にあたしがつぶやいた時、
「誰がバカだ、このアホ」
後ろから暴言が。
振り向いて、弱メンの顔を睨む。
「あのー。毎回思うんですけど、生徒に暴言吐くのはどうかと思いますー」
弱メンはよく罵詈雑言を吐く。
昔、ヤンキ―でもしてたんだろうか?
「いいから席に着け。おーい、お前らー!席替えするぞー!」
しかもよくスルーする。
自分のせいでこの話が始まったのに、なんて自己中な。