切恋~First Love~


席替えはくじ引きだった。


1人ずつ教卓の弱メンの所まで行って引きにいく、というもの。


しかも引いたくじの番号をその場でメモされちゃうから、偽装のしようもない。


・・・・・・望み薄。


「じゃあ男子の出席番号1番から来い」


これで最悪な席になったら話にならないし~・・・。


次々に教卓に向かう男子生徒。


それを見てるだけで緊張してきた。


あっという間に男子が終わり、女子の番になった。


「流菜ちゃん、どうしよ・・・。あたし絶対くじ運ないし・・・」


流菜ちゃんの方を見ると、相変わらずケロっとした顔で座っていた。


「大丈夫だよー、なんとかなる!」


そういうものなのかな・・・。


「おい藤井!早く来い!」


な、早ー!


いつの間にやら、あたしの番。


弱メンの前に来て、くじの入った袋に思いっきり手を突っ込む。


・・・・・・これだ!


「てぇい!」


そして思いっきり手を抜いた。


目の前で弱メンが、


「気合入ってんな・・・」


なんて感心してたけど、それどころじゃない。


恐る恐るといった感じで、引いた紙切れを開く。


「・・・15?」


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