切恋~First Love~
放課後になり、流菜ちゃんが友達を待っている間、3人で話をしていた。
「ねぇ、ていうかあたし15番なのに1番前の席って何さー!」
うなるあたしを見て佳耶は苦笑い、流菜ちゃんはニコニコしていた。
席順にどうにも納得がいかなかった。
15番のくじを引いて最前列の席になるなんて、聞いたことないよ。
そこで、どんな割り振りにしたのかとさっき弱メンに聞いたら、
「適当に番号ふった」
という適当な返事が返ってきた。
「流菜1番だったのに、真ん中の列のど真ん中だったしね」
「あたしは5番で、3列目の後ろから3番目?だった気がする」
・・・ホント適当だし。
「あーあ、1番前の席とか寝れないじゃん。ショック・・・」
言ったときに気付いた。
佳耶、神崎涼のこと好きだから、こんなこと言ったら嫌味に聞こえちゃうかな。
少しの申し訳のなさが、頭をよぎる。
でもあたしの硬い頭では上手いフォローの言葉も見つからず、そのまま話は進んでいってしまった。
「流菜ーっ。遅れてごめん!担任に捕まってた」
しばらくして、流菜ちゃんの友達が来たから4人で教室を後にした。