切恋~First Love~


「・・・むかつく」


「知ってるっての」


「・・・・・・もう、知らないっ」


コイツと言い合ってるとむかついてくる。


あたしから言い合いを止め、顔をそらした。


そして心の中でつぶやいた。


「おい」


・・・ところで神崎涼は、何でまだあたしに突っかかるのだろう。


何だよ!と言いたいのを必死に堪える。


「・・・何」


あたしが嫌々顔を動かすと、いきなり何かが飛んできた。


「・・・え、わ、ちょっと!」


小さくて、硬いもの。


咄嗟に掴んだそれにゆっくりと目をやると。


「・・・あめ玉?」


意味が分からないというように、投げた主である神崎涼の方を向くと、


「・・・それで機嫌直せ」


ぶっきらぼうな言葉が返ってきた。


「何、それ・・・・・・」


手のひらに乗った小さなあめ。


いちごみるくと書かれたそのかわいい包み紙。


「・・・いちご好きなの?」


意外な好みだと思い、思わず尋ねる。


「そんなに」


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