切恋~First Love~
7月◇2
もう人々が、
「夏休みはあと数週間後だ!」
と騒ぐ時期。
ですが・・・・・・。
「そんなあああぁあぁぁ」
放課後の教室にて、あたしは補習が決定した。
「ああぁああぁぁあぁ・・・」
これであたしの7月の夏休みが丸々飛んでいくんだ。
最悪、それ以外の言葉が思いつかない。
「うるせぇよ、藤井」
「だぁってー・・・」
神崎涼が指で耳をふさぐまねをする。
「大丈夫、俺らもだから!」
尾崎君は補習を気にしてないのか、それともはなから行くつもりがないのか。
テンションがいつものまま。
「ていうか、そういう問題じゃないしー・・・」
「お前、もう一生うなってろよ」
「ひどー」
この数日で神崎涼について分かったこと。
佳耶の言った通り、意外に絡みやすいこと。
でも超が付く毒舌だということ。
それでもって男友達も女友達もたくさんいて、さらにみんなに対してフレンドリーだということ。
フレンドリーと言っても、今のあたしに対する扱いみたいな感じだけど。