切恋~First Love~
『好き』をこんな形で知るなんて、誰が思っただろう。
誰がこんなドラマみたいな展開になると予想しただろう。
素直に喜べない。
せっかく好きになったのに、こんなに頭が痛いのは何で?
こんなに溜め息が出そうになるのは何で?
こんなに・・・胸が痛むのは、何で・・・?
佳耶との約束、守れないかもしれない。
――――好きな人ができたら、すぐ報告すること。
・・・無理だよ・・・。
そんなこと、出来るわけない。
――――佳耶の恋を応援すること。
・・・辛いけど、頑張る。
でも途中であたし・・・壊れちゃうかもしれない。
今ですらこんなに苦しいのに。
『恋』はいつもあたしを悩ませる。
本のようにハッピーなだけじゃない。
そんな簡単にはいかない。
佳耶には絶対言えない。
流菜ちゃんにもできれば言いたくない。
出来るだけ、この気持ちは消すように努力する。
だけど、せっかくのこの気持ちを大切にしたいと思う心も、少なからずある。
高校2年生の夏、あたしは『好き』を知った。
あたしの初恋は、親友の思い人。
あたしは、神崎涼のことを
好きになってしまいました―――