切恋~First Love~

7月◇3



あたし1人がどんなに悩んでいたとしても、世界はお構いなしにまわり続ける。


今だってほら・・・。


「バッカじゃないの。ありえないから」


「お前、やっぱうぜー」


「アンタには負けるよ」


目の前で佳耶と神崎涼が話をしている。


神崎涼はあたしの隣。


佳耶があたしの席に来ると、2人は必然的に顔を合わせることになる。


何という皮肉。


佳耶は美人だし神崎涼だってかっこいいし、絵になりすぎてるこの2人。


「佳耶ちゃんと神崎君、仲よくなったよね」


「「それはない」」


あたしの隣で流菜ちゃんが2人を微笑ましそうに見ている。


いつもなら気にも留めないそんな言葉も、今のあたしにとってはまさに凶器そのもの。


胸がえぐれてしまうような思いになる。


この2人のツーショットを目に入れるたびに、たまらなく惨めになる。


何で、こんな思いまでして神崎涼のことが諦められないんだろう。


佳耶と比べたら、明らかにあたしの方が劣っているのに。


そもそも神崎涼のことを好きになったあたしに問題があるんだ。


・・・色々な思いが、頭の中でゴチャゴチャと混ざる。


深く考えれば考えるほど、深く心が沈んでいくのを感じた。


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