切恋~First Love~
「誰だよ、好きな奴ー?」
・・・・・・アンタだよ。
「神崎しつこい」
どうしようもなく好きだよ。
「いいじゃん別に、それくらい」
ウザイところも、憎たらしいところも、何もかも。
「南美、コイツいいの?」
時々見せる優しさとか。
時々見せる妖艶な笑みとか。
もう、全部。
「・・・・・・南美ちゃん?」
どうしようもない女ったらしで。
そこの部分は、どうにか目を伏せておこうと思っていたけど。
仕方ないと思っても、やっぱり胸が締め付けられるよ。
正直、佳耶と神崎涼が失敗すればいいと思ってる。
神崎涼と繋がってる女全員を蹴っ飛ばしたいとも思ってる。
君が大好きだからこそ。
好き過ぎるがゆえに・・・。
あたしはどんどん黒く染まっていく。
「南美・・・・・・トイレ行こ?」
「うん、行こう?南美ちゃん」
だから佳耶や流菜ちゃんの優しさが、とてつもなく重たい。
あたしが黒くなってしまったから・・・純粋な2人の優しさが、凄く重たい。