切恋~First Love~
7月◇4
「・・・・・だけだ。夏休み明けに死んでんじゃねぇぞ。以上」
弱メンのその声を合図に、一気に教室が盛り上がる。
「おっしゃああぁああぁ!!」
男女を問わず、キャーだのフォーだの叫びが飛び交う。
教室にこんなに人がいて、こんなに蒸し暑くなってきてるっていうのに。
さらに熱気をあげて、どうするんだって話。
いくらバカだからって毎日こんなテンションなわけじゃない。
理由はただ1つ。
そう、明日からは・・・
「夏休みだあああぁあぁぁ!!」
学校中の皆さんがお待ちかねの夏休みなのです。
あたしにとっては・・・いや、補習を受ける生徒達にとっては7月いっぱいは形だけの夏休み。
「南美ー!夏休みだよ~っ」
佳耶が満面の笑みで駆け寄ってくる。
「佳、耶、は、ねっ!」
ふざけながら嫌味たっぷりに佳耶に言う。
そう、佳耶は当たり前ながら補習なし。
「でも南美も土日は休みなんでしょ?」
「土日だけね。いつもの学校の日と変わらないじゃん・・・」
「お疲れ様。まあ、7月いっぱいなんだから頑張れ」