切恋~First Love~
8月◇1
「・・・あっつー」
ベッドの中でゴロゴロする毎日。
1日1日と日は過ぎていき、気付けば8月の中旬になっていた。
やったことと言えば、佳耶と流菜ちゃんと夏祭りに行ったくらい。
遊びに誘われたけど、どうしても気が乗らなかった。
だって今の状況の中でどんな顔をして会えばいいの。
花の女子高生がこんなのでいいのか、とつくづく思う。
補習最終日に以来、神崎涼には会っていない。
アドレスを交換したものの、連絡をすることもなく、来ることもなかった。
だって・・・ヤるための連絡網だもん。
それに、あたし勢いでセフレになっちゃったけど、まだ処女だよ?
何をどんなふうにするのかも分からない。
その時が来るのが、少し怖い。
「南美ー!学校行くわよーっ」
思いふけっていると、1階からお母さんの声がした。
・・・学校・・・・・・?
「ああああっ!忘れてたーっ」
学校へ行くと言っても、別に何かをやらかしたわけじゃない。
単なる三者面談。
何で夏休み中に三者面談なの?
と何度首をひねったことか。
面倒臭くも制服に着替え、お母さんと一緒に学校へ行った。
・・・夏の炎天下の空の下、女子高生がいい年したお母さんと2人で肩を並べて歩いてるって、どうなんだろう。
学校に着いても相変わらず暑いまま。
壁にくっついてるだけで、全く本来の役割を果たしていないエアコンを見ながらつぶやく。
「・・・エアコンあるならつけてよ・・・」