切恋~First Love~


蒸し暑い教室の中で、たいしておもしろくもない時間を過ごした。


面談は午後2時頃からだったから、暑さはピークを迎えていた。


弱メンとお母さんの話が右耳から左耳へとすり抜けていく。


あたしはひたすらタオルで顔や体をあおぎながら、


「うん」


とか、


「ああ」


とか、


「ふーん」


などの適当な返事を繰り返していた。


ホントだるい。


補習の時の学校とは大違い。


あの静かな雰囲気とは打って変わって、今はもう夏の生き物達が『今だ!』と言わんばかりに生命活動を行っている。


象徴的なのが、セミ。


ミンミン、ジイジイうなっている。


全く迷惑はなはだしい。


その大合唱を聞いているこっちの身にもなって欲しい、といつも思う。


無駄に長く感じた面談が終わったのは2時半頃。


何時間も経ったような感じがしたんだけど。


早く家に帰りたくて、弱メンにさようならのあいさつをするのも忘れて教室を出た。


またお母さんと2人で帰るのか、と思うと足取りが重たい。


そのお母さんとくだらない話をしながら、学校の玄関を出た直後のことだった。


♪~♪~♪


「・・・メール」


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