切恋~First Love~


家の玄関に着いたとたん、激しい動悸があたしを襲う。


「・・・はあっ、はあ・・・っ」


学校の体育の授業でさえ、こんなに息切れするほど真面目に走ったことがない。


一気に身体の力が抜けていって、玄関の壁にもたれながらズルズルと座り込む。


さっき見た人影。


バイクのすぐそばで、キスをしていたあの2人は・・・。


・・・間違いなく、神崎涼と―――



――――――佳耶。



「・・・っ何で・・・」


静かに涙が頬を伝う。


全然分からない。


佳耶も、神崎涼のセフレになったの?


それとも本物のカレカノ?


自分からアピールしないんじゃなかったの?


あたしが、佳耶の知らないところでどんどん展開を進めていったように・・・。


佳耶もあたしの知らないところで、神崎涼と関わりを持っちゃったの?


神崎涼は、あたしと佳耶が友達なのを知ってるんだよね?


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