切恋~First Love~
枕に顔を埋めて、ひたすら考えにふける。
もしもあの時、あのバイクの音につられてなければ、こんな思いをすることはなかったのかな。
・・・ううん、きっと違う。
遅かれ早かれ、きっと気付く時がきてたはず。
ねぇ、佳耶。
あたし達の関係はこんなことじゃ崩れないよね?
あたしが神崎涼を好きだと気付く前から、不安だった。
佳耶がどこまであたしを受け止めてくれるか。
気になる人のこと。
そのことを佳耶に隠してたこと。
神崎涼を好きになったこと。
あたし達の関係の深さを・・・何度も疑ってしまったこと。
全部、全部、受け止めて。
あたしは明日、佳耶に全部打ち明ける。
ずっと前から、悩んで悩んで。
そして今日まで悩みぬいた結果。
佳耶について、本当のことが知りたい。
あたしも、佳耶が気になることなら何でも答えるよ。
こんな曖昧なまま、佳耶と一緒にはいられない。
これはあたしなりのけじめなんだ。
あたしは大きな不安に潰されそうで、満足に寝ることができなかった。