切恋~First Love~


枕に顔を埋めて、ひたすら考えにふける。


もしもあの時、あのバイクの音につられてなければ、こんな思いをすることはなかったのかな。


・・・ううん、きっと違う。


遅かれ早かれ、きっと気付く時がきてたはず。


ねぇ、佳耶。


あたし達の関係はこんなことじゃ崩れないよね?


あたしが神崎涼を好きだと気付く前から、不安だった。


佳耶がどこまであたしを受け止めてくれるか。


気になる人のこと。


そのことを佳耶に隠してたこと。


神崎涼を好きになったこと。


あたし達の関係の深さを・・・何度も疑ってしまったこと。


全部、全部、受け止めて。



あたしは明日、佳耶に全部打ち明ける。


ずっと前から、悩んで悩んで。


そして今日まで悩みぬいた結果。


佳耶について、本当のことが知りたい。


あたしも、佳耶が気になることなら何でも答えるよ。


こんな曖昧なまま、佳耶と一緒にはいられない。


これはあたしなりのけじめなんだ。



あたしは大きな不安に潰されそうで、満足に寝ることができなかった。


< 243 / 337 >

この作品をシェア

pagetop