切恋~First Love~




次の日は1、2時間目が体育祭準備。


「じゃあ今日もそれぞれの分担についてーっ!!」


もうすぐそこまでに迫った体育祭に、テンションを上げるみんな。


日に日にテンションの下がっていくあたしとは、まるで反比例の関係にあるよう。


クラスの中ではみんな役割が決まっている。


役割は弱メンが出席番号順に勝手に割り振りをした。


「南美ーっ、ペンキ取りに行こー」


「あ、うん。いいよー」


有難いことに、あたしと佳耶は係が一緒。


クラス旗係。


流菜ちゃんはあたし達とは別で、プラカード係だった。


プラカードはクラスの応援席の前に立てられる。


去年も思ったけど、応援席の前にプラカードを立てる意味はあるの?


流菜ちゃんはあたし達と離れて残念だって、肩を落としていた。


ペンキが置いてある技術室に向かって、佳耶と2人で廊下を歩く。


この日は3学年の全クラスが1、2時間目に体育祭準備を行う。


だから廊下にはたくさんの声が飛び交い、オレンジ色の空気が漂っていた。


・・・今、佳耶と2人っきりだよ。


言うなら今だよ?


言え、あたし。


早く、早く・・・。


「・・・っねぇ、佳耶・・・」


「ん?」


待って、何て切り出せばいいのっ!?


直前になって焦る、いつものパターン。


< 245 / 337 >

この作品をシェア

pagetop