切恋~First Love~
次の日は1、2時間目が体育祭準備。
「じゃあ今日もそれぞれの分担についてーっ!!」
もうすぐそこまでに迫った体育祭に、テンションを上げるみんな。
日に日にテンションの下がっていくあたしとは、まるで反比例の関係にあるよう。
クラスの中ではみんな役割が決まっている。
役割は弱メンが出席番号順に勝手に割り振りをした。
「南美ーっ、ペンキ取りに行こー」
「あ、うん。いいよー」
有難いことに、あたしと佳耶は係が一緒。
クラス旗係。
流菜ちゃんはあたし達とは別で、プラカード係だった。
プラカードはクラスの応援席の前に立てられる。
去年も思ったけど、応援席の前にプラカードを立てる意味はあるの?
流菜ちゃんはあたし達と離れて残念だって、肩を落としていた。
ペンキが置いてある技術室に向かって、佳耶と2人で廊下を歩く。
この日は3学年の全クラスが1、2時間目に体育祭準備を行う。
だから廊下にはたくさんの声が飛び交い、オレンジ色の空気が漂っていた。
・・・今、佳耶と2人っきりだよ。
言うなら今だよ?
言え、あたし。
早く、早く・・・。
「・・・っねぇ、佳耶・・・」
「ん?」
待って、何て切り出せばいいのっ!?
直前になって焦る、いつものパターン。