切恋~First Love~


でも、これだけは聞きたい。


自分のことを棚に上げるような行為かもしれない。


だけど、知りたいんだ。


「・・・佳耶・・・あたし、佳耶に聞きたいことがあるの」


「・・・・・・うん」


ねぇ、教えて・・・?


「佳耶は、神崎涼と・・・どんな関係なの・・・?」


あたしの、鼻を啜る音だけが聞こえる。


しばらくの沈黙の後、佳耶は口を開いた。


「・・・・・・あたしも・・・セフレなんだぁ・・・」


静かな美術室の中で寂しくつぶやかれる、佳耶の言葉。


この静かな空間が、佳耶の言葉をよりいっそう引きたてる。


あたしは衝撃を受けた。


きっとあたしは、どこかで予想はしていた。


無意識のうちに、そう頭の中で考えていた。


だけど現実を見せられると、キツイ。


佳耶には白いままでいて欲しかった。


あたしはこんなこと言えないけど、佳耶には純粋に神崎涼を好きなままでいて欲しかった。


こんな風に・・・汚れて欲しくなかった。


なんでだろうね・・・。


でもそう思った。


何でか分からないけど、強くそう思った。


「・・・夏休み中にね、告ったんだ。アドレスを友達に教えてもらって。そうしたら・・・セフレになっちゃった・・・」


言いながら、佳耶は自嘲気味に笑う。


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